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院長瓦版

(平成19年7月号)
「天然歯、義歯(入れ歯)、インプラント(人工歯根)の比較」

今月皆さんに紹介する内容は、私が所属しているインプラント研修センターで仲間と調査をしているデーターの途中経過です。

 今年9月に開催されるインプラント学会で発表する内容の一部分ですが、とても分かり易いので、学会発表前に「かわら版」でちょっとだけお話しましょう。

 自分の歯と入れ歯ではどちらが咬む力が強いか?入れ歯は咬む力をバネのかかった歯と入れ歯の下の歯肉で支えるために、強く咬めば咬む程下に沈んでしまい痛みを感じることになります。自分の歯(天然歯)は歯周病が進んでいない限り、回りの骨にしっかりと支えられて、咬んだ力は骨の中に分散していくため相当な力まで痛みを感じないはずです。

 骨の中に埋め込まれた人工の歯根、インプラントはどうなのでしょう?というわけで藤本歯科医院の患者さんで今までに咬合力を測っている方(約200人)のデーターを分析してみました。

 奥歯に限ってお話すると、自分の歯で計った咬合力は平均が41.2kgでした。個人差は大きく一番力の強かった人は102kg、弱かった人は12.1kg(この方は片側咬みの癖があり、反対側では23.5kgの力がありました、咬み癖は筋肉をこんなに衰えさせるんですね)という結果が出ました。

次に入れ歯の咬合力はというと平均17.1kgで自分の歯の半分以下でした。入れ歯のデーターは総義歯から小さな義歯までさまざまなので、一口には論じられませんが右側が自分の歯で、左側が入れ歯という片側入れ歯のパターンで、入れ歯の方が強く咬めていた人は誰もいませんでした。

 それではインプラントはどのくらい咬めるのか?というと平均40.9kgで自分の歯と同じに咬めていることが判りました。

 同時にやっている15品目の食品を咬めるか咬めないかの調査では上下顎を問わず、左右どちらかに入れ歯を入れている場合、咬み応えのある食品は自分の歯やインプラントで咬むか、噛み砕いてから入れ歯で細かくするという人が多くなりました。咬む力と実際に食品を咬むことは違いますが、強い力が入る側を良く使うか、使いたくても入れ歯では咬めないということになっているようです。

 調査の結果、自分の歯がなくなって入れ歯になった時から、人の咬合力のバランスが崩れてしまうことが分かってきます。きちんと入れ歯を入れたとしても自分の歯の半分も力は入らなくなります、まして入れ歯も入れず抜けたまま放置した場合は間違いなく、残っている歯が負担過重となり、歯だけではなく本人の寿命まで短くしてしまいます。

 結論として、歯がなくなったら第一選択はインプラントということになり、費用や骨の状態でそれができなければ、きちんとした良く咬める入れ歯を入れていることが、残った歯を長持ちさせ自分の健康を良好に保つ、ということになります。



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