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院長瓦版

(平成19年2月号)
「歯周病に悩む高齢化社会」

 今年1月にある新聞記事の見出しに「歯周病に悩む高齢化社会」というのがありました。

当院に来院している50歳以上の患者さんのほぼ9割が歯周病の治療を目的としています、

歯科医院ですから口の中が健康な人は来ないので、率が高いのは当然?(最近は歯のクリーニングで定期的に来院される、進歩的な方も徐々に増えています)厚生労働省の調査で55から64歳までの日本人で歯周病にかかっている率は49.7%だそうです。

 そしてこの新聞記事によれば、最近の傾向としてまず「リステリン」に代表される洗口液がよく売れているそうです。おそらく口の中の病原菌を洗口液で取り除き、口臭をなくし、歯周病を予防する習慣が根付き始めているのでしょう。

 もう一つの傾向として、歯磨き剤の高価格帯商品が売れるようになってきたそうです。値段でいうと1本が1000円程度の商品で、昔の高価な歯磨き剤のように生薬を入れただけ、というような物ではなく、歯肉の腫れ、出血を防ぐ物、歯石の付着を防ぐ物、知覚過敏を防ぐ物、歯肉の再生材料を含む物等各メーカーそれぞれが症状別に成分配合をして、効能書を見ていて歯科医師が感心するほどよく工夫されています。(ちなみに私がいつも使っている歯磨き剤は、スーパーで1本600円くらいの商品です)

 ただし、いつも同じことを言うようで申し訳ないのですが、歯磨きが面倒なので洗口液でうがいをして済ませる、歯磨きが下手な人が色々な有効成分の入った歯磨き剤を使うというのは、いかがなものでしょうか。

むし歯の菌は歯の表面にべっとりと付いた、バイオフィルムという自分達を守るバリアの中で増えていきます。これを剥がしてムシ歯菌を殺す薬を開発できればノーベル賞が確実にもらえるとまで言われている強敵です、市販の洗口液で洗い流せるほど楽な相手ではありません。また、歯周病菌は歯周ポケットと呼ばれる歯の周りにできた深さ数ミリの細い溝の中で繁殖しています。歯の生え際を丁寧に磨いて、歯周ポケットを浅くすることでバイ菌の居場所が少なくなり歯周病は治っていきます。それなのに歯の頭ばかり磨くのではせっかくの高い歯磨き剤が生きてきません。

「それじゃ歯の磨き方をきちんと教えろ!」と言われそうですが、歯科衛生士から歯の磨き方の指導を受けた患者さんは多いはずです。しかし、どの程度に磨けているかのチェックで染め出し液を使い本格的に指導を始めると、もう勘弁してくれ、やり方は分かったから治療を始めてくれ、ほとんどの患者さんの腰が引けています。(大人が歯磨きを習うことは恥ずかしいことだと思うのでしょう)ここをクリアした患者さんは本当に自分で歯周病を克服して健康な歯と歯肉を取り戻しています。

これからも当院では、歯周病治療の一環として「染め出し」を積極的に行います。

治療の第一歩として受け容れてください。



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