(平成16年4月号)
注意しよう、小児の転倒事故
少し前の話になりますが、子供が縁日で買った綿あめの軸になっていた割り箸を咥えたまま転んでしまい、不運にも喉の奥に折れた割り箸が残っていることに医師も親も気が付かず、脳まで達した割り箸が原因でその子は死亡してしまった。という「割り箸事件」は皆さんも覚えていることと思います。
これからは、春の運動会やピクニックなど屋外で子供達が活動することの多くなる季節です。よく私の歯科医院にも、転んで唇を切ったり歯をぶつけてグラグラしている、といったお子さんが来院します。たいていはさほどの問題もなく、簡単な傷の洗浄をして経過観察で終わりです。
しかし、そのお子さんが何か固い物を口にいれたまま転んだような場合は、注意が必要になります。物を口に入れたまま前のめりに転倒した場合、口蓋部つまり上アゴに傷がつき、動脈を傷つけたり、喉の奥の神経を傷つける、運が悪ければ軟口蓋と呼ばれる柔らかい上アゴから、直接脳を傷つけてしまうことになります。しかも金属以外はレントゲンには映りません。
小さな子供は、何でも口に入れたがる、足元が不安定で転び易い、体に対して頭が大きくまた手を突く防御反射が遅い、などの理由で転びやすいものです。
運悪く、棒状の物を咥えて転倒したら
まずやって欲しいことは、何を咥えていて転んだのかを調べることです。(それが鋭い物か、途中で折れていないか、汚れたものか)子供はきっと泣きさけんでいますから、親が一緒に慌てないようにして下さい。冷静に喉に傷ができていないか、傷が見えなくても、咥えていた物が何か、折れているか、転んだ場所がどこかを調べるだけでなく、そのものを必ず病院に持って行き、医師に見せてください。
また2歳以下のお子さんが、転んで頭や顔を直接固いものに強くぶつけた時は、硬膜下出血を起こしやすい年齢ですから、次のことに十分注意して下さい。
頭や顔をぶつけてから、10分くらいのうちに痙攣を起こす場合。また、なまあくびを繰り返し、ぐったりとなり意識がなくなる、嘔吐を繰り返す。
このような場合は大至急、大きな病院に連れて行ってください、個人病院ではありません。また数時間後から2週間後の間に、少しずつ元気がなくなりごろごろし出す。よく嘔吐する、食欲がなくなり、顔色が青くなり、痙攣や意識障害が出る。
こんな兆しがあればやはり脳や脳硬膜の損傷が疑われます、すぐに脳の状態を調べて下さい。
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