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院長瓦版

(平成14年2月号)
宇宙ではむし歯になりやすい

 この記事は以前「読売新聞」に載っていたものですが、むし歯の原因になる「ミュータンス菌」が口の中で、無重力状態だと地上の40から50倍増殖する。という内容でした。

 無重力だと口の中でツバキ(唾液)がうまく歯の表面に付いた細菌を洗い流せず、ミュータンス菌のような、歯の表面に付く菌が繁殖しやすくなること、宇宙では唾液の分泌が少なくなること、二つの原因が重なって、このような結果が出てきたようです。

そこで宇宙での歯磨き

 新聞記事はそこまでで終わっていますが、世界には色々な研究をしている人がいるもので、宇宙(無重力状態の環境)では、いかに歯磨きをするべきか。一生懸命考えてくれています。

 無重力状態で歯磨きをするとどうなりますか?

 歯磨き中に飛び散った唾と歯磨き剤の混じったものが、浮遊して宇宙ステーションのあちこちを汚染してしまうそうです、通常の50倍もミュータンス菌を含んだ状態で。

 そこで研究者は、歯磨き剤の配合を考えたり、宇宙ステーション内を汚染させないうがいの方法を研究したりしているようです。

たどり着いた結論は

 研究の結果、歯を磨くよりもマウスピースに少量の抗菌ペーストを塗り、歯に被せることで、むし歯の原因菌を取り除く。e-ブラシという歯ブラシと唾液の吸引機が一緒になった装置を使う。この二つの方法に落ち着いたようです。

でも別に新しくはない

 しかしマウスピースに抗菌ペーストを塗るやり方は、すでに一般臨床でも使われている方法で、藤本歯科医院でも何人かの患者さんはこの方法で歯周病を治療しています。

 もう一つのe-ブラシは、老人ホームなどで嚥下障害(水や食べ物をうまく飲み込めない)の人に使うブラッシングの器械として、日本製の物も売られています。

 こう考えると人間の発想は誰でもそんなに違いはないのでしょうか、画期的な大発明はなかなか出てこないようです。

私だったら、歯磨きガム

 私だったら宇宙の歯磨きは「キシリトール配合の歯磨きガム」を使います。キシリトールにはむし歯をつくる菌を抑える効果があり、ガムを噛むことで唾液の分泌も促進されます。それに噛んだあとの唾は自分で飲み込むので、宇宙ステーションが汚れません。

 結構良い方法だと思いますが、その研究者はきっとガムが嫌いなのでしょう。



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